15年ぶりの大規模改装！伊勢丹新宿店メンズ館に行ってみた
買い物だけじゃない。コンセプトを前面に打ち出したアート「SI」も見どころ
伊勢丹新宿店メンズ館が2003年の開店以来、はじめて大規模リモデルを実施し、3月16日に全面オープンしました。改装のコンセプトは「男として、そして、人をして」。客を”男”である前に”人”として捉え、開かれた場所にしたい、という想いが込められています（わかるようなわからないような、、）。
目を引いたのは、このコンセプトを体現したアート作品がフロアに設置されていることです。「SI（エスアイ）」と呼ばれるこれらの作品を紹介していきます。
１つめ。１階エントランスのど真ん中に置かれているのが、この大きな本のオブジェ「自分らしさの文体練習」。”自分らしい”とは何なのか。性別や職業も多種多様な43人がそれぞれの言葉と文体で綴っています。実際にめくって読むことができます。
２つめ。１階から２階へエスカレーターを上がると、大きな力士の彫刻が出迎えます。「男らしさの身体練習」というテーマの作品です。現代アーティストが「男性」を表そうとしたとき、どのような表現となるのか。答えの一つは、この動く巨大木彫でした。
３つめ。４階に設置してあるのは「男らしさの解体練習」。100年以上前の服を半分解体し、男性の装いと”らしさ”の関係性を表現しています。
４つめ。６階の「自分らしさの物体練習」。”人”と”モノ”との関係は、たとえ同じ物を持っていたとしても、持つ人によって様々に変化します。３人のアーティストの作品から、人とモノの付き合い方から自分らしさの可能性を探る展示です。
SIにおける展示のテーマは、「文体物体身体解体練習-EXERCISES in PHYSICAL THINGS- 」。
デジタルなものが世の中に台頭している現在において、様々な"フィジカル"を扱うリアル店舗ならではの価値を見つめ直し、「文体」・「物体」・「身体」・「解体」という、人間そのものを表現した4つの"体＝フィジカル"で具現化。4つの”体”を通して、「自分らしさ」や「男らしさ」とはいったい何であるのか。”ある”ものなのか、”なる”ものなのか。”いる”のか、いらないのか。簡単に口にしてしまう「〇〇らしさ」という概念を、様々な角度から見つめ直している。
「文体練習」は、自分らしさを言葉と文体のバリエーションと差異
「物体練習」は、どんな距離、どんな態度、どんな意味で物と付き合うか
「身体練習」は、男の身体を現代のアーティストたちはどう表象するのか
「解体練習」は、衣服は男らしさと評されるあり方にどう影響を及ぼしたのか「らしさ」と呼ばれるものの可能性と限界、時代性と虚構性、過去と未来など、SIの展示物を通して、みなさんが自分の「らしさ」を考え、
そのらしさとファッションの関係を楽しむきっかけとしての機能も期待している。それぞれの考える"〇〇らしさ"を通して、メンズ館の持つ多様性や、お客さまへ様々な”〇〇らしさ”を提案・デザインしていく姿勢を表現している。
とのことです。限られた売場面積の中でアート作品を展示し、館全体のブランドを統一・向上させようとしているのが面白いです。
その他、ラグジュアリーファッションの拡充、高級ブランドのオーダー常設化、プロモーション・コミュニケーションスペースの増加など、大幅な刷新がなされています。
また、ライフスタイルアイテムのコーナーも拡大し、最上階８階では、筆記具から花やフレグランスまでを扱っています。シックなカフェも。
盛りだくさんの改装オープン。ぜひ足を運んでみてください。
☞伊勢丹新宿店メンズ館 詳細
所在地： 東京都新宿区新宿3-14-1
営業時間：10:30～20:00 ※4月より10:00～20:00
